木村太陽 Taiyo Kimura

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木村太陽  Taiyo Kimura

2014 年 6 月 21(土)—7 月 26 日(土)

[オープニングレセプション]初日 18ー20時

木村太陽の作品世界は「批判」という言葉に端的に象徴されるのではないでしょうか。誤解されがちですが「批判」とは決して何かを悪く言うとか、否定的であることを前提としてはいません。むしろ、省察や精査を重ねることでより良い可能性を模索しようとする、極めてポジティブな態度です。

その意味で木村太陽の批判の対象となるのは、因習やシステム、自然や人間の生理と政治性の関わりなど、我々自身を取り囲む日常の些細な事象で、愚直なまでに根気の要る作業を積み重ねる制作プロセスは、大いなる回り道を辿るかのようです。そして個々の作品の仕掛けやギミックは、真摯でありながら、とてもユーモラスでシャイにすら感じられます。

それは、木村が威圧的で教条的な視点に立つことや、意味ありげな態度をとることを忌避しているからに他なりません。このことは、コンセプチュアルアートやミニマリズムそのものへの批判でもあり、こうした「批判の入れ子状態」こそが、木村太陽のアーティストとしての在り方を、独自のものにしています。

Artist’s Statement

端っこでチラチラするなにか得体のしれないもの。なんだろうと気がついたとたんに消えてしまうし、二度と現れない。そのくせ奇妙な重力 を持っている。 それらを捉えるためにはそれなりの訓練がいる。 集中していくうちに、すばしっこい子猫のような好奇心とジャイロスコープのような心持ちを合わせ持てるようになる。 捉えるということが数式という入れ物を作ることなんだとわかる。それは時空のゆがみからひとを解き放ちながらも同時にループに 閉じ込める。数式自体が生き延びるために。

木村太陽