ノリ服部|境界とアクセス | Nori HATTORI | Boundary / Access
2019年11月16日(土)~12月22日(日)
ノリ服部 | Nori HATTORI
境界とアクセス | Boundary / Access
工業用レーザーカッターをシグネチャーツールとし、Painting after Technology〔テクノロジー以降の絵画〕を継承するノリ服部。進取の気性に富むそのアティチュードは、2019年夏のスプラウト・キュレーションでのグループ展「媒質としてのアンビエント」においても確かな可能性を示しました。個展としては2018年5月以来となる本展では、新作のペインティングを発表いたします。
〈作家自身によるステートメント〉
絵画のプロセスにテクノロジーを介入させてみる。
まず、絵画を2つのフェーズに分ける。
インフォメーションの創出:観念的に表示されるもの
マテリアルの加工:インフォメーションを記録する物質的なストレージ
その上で、異なるフェーズを通過する一連の試験の結果として、作品を制作する。
Phase1: インフォメーションの創出
ここでは、ファウンドやフィジカルに創出したイメージのデジタイジングとデジタル上での変換/加工/操作が行われる。その過程で介入してくるのは、デジタルの偶発性。転送時に紛れ込むミスリードによる情報のリダクション、ヒューマンミステイク、偶発的なエラーによって毀損されたデータ、最適化されたソフトウエアの設計上の制約、自動処理により自動生成されたフォーム。
Phase2: マテリアルの加工
つぎに、マテリアルへの書き込みを行う。そこで現れるのは、物理的なストレージがもつ、避けられない“エラー”のドキュメンテーション。マテリアル加工時に混入する筆跡や、デジタルファブリフィケーションのプロセスに由来する加工機自体の制約、物理的なエラーによるスクラッチ。
人為的な痕跡はphase1で薄められ、phase2のプロセスにより機械的な痕跡に置き換わる。
作品は、ミステイクやエラーに基づいている。